花粉症の舌下免疫療法に使われる薬は2種類あるの! 効果があるのはどっちかな?
花粉症の季節が近づき、舌下免疫療法に踏み切ったほうがいいのだろうか……と考えている方も多いことでしょう。
かく言う私も今年からチャレンジ派の1人です。
担当医から、舌下免疫療法のお話をお伺いしていますので、できるだけ正確にお伝えしていきたいと思います。
ところで、花粉症の舌下免疫療法には、2種類の薬があるのをご存知ですか?
- シダトレン
- シダキュア
の2種類が、現行でスギ花粉症の舌下免疫療法に使われているお薬です。
シダキュアは2018年発売のお薬
2種類の薬のうち「シダキュア」は、2018年5月に新発売になった鳥居薬品の薬です。
一方の「シダトレン」は2014年から使われるようになった、同じく鳥居薬品の薬です。
シダトレンは液体、シダキュアは固体
花粉症患者にとって最大の違いは、薬の形状の違いと言えるでしょう。
シダトレンは液体の薬でしたが、2018年から使われるようになったシダキュアは固体の薬です。
液体のシダトレン
シダトレンは液体状のものを舌の下に入れて使う薬でした。
使用1週目は、容量が200JAU/mLのものを、0.2mlから始めて、7日目までに1mlまで増量します。
使用2週目からは、容量が2,000JAU/mL に増え、これを0.2mlから始めて、7日目までに1mlまで増量します。3週目からは同じものを1日1ml服用し続けます。
治療の継続期間は3~5年と言われていますが、ある程度の効果は1年以内に出るので、多くの人が、服用後はじめての春にはそこそこ効果を実感するようです。
固体のシダキュア
シダキュアは固体の薬で、やはり舌の下に入れて使います。
形状が違うだけで、使い方はシダトレンとさほど変わりません。
ただシダキュアの場合、1週目に容量2,000JAUのものを1日1回、2週目以降は5,000JAUを1日1回、継続して3~5年服用します。
JAUってなに?
ここで出てきた「JAU」ですが、普段患者として生活しているうちは全く耳にしないアルファベットです。
JAUというのは、日本国内でのみ用いられている、アレルゲン活性単位というもの。
「Japanese Allergy Units」の略だそうです。
ようは、薬の中に含まれるアレルゲンの量を示しています。
単純に考えてシダキュアよりシダトレンのほうが容量が小さい
JAUのことが少しわかると、シダキュアよりシダトレンのほうが、だいぶ容量が小さいことがわかります。
治療初期を除き、シダトレンは2,000JAUを毎日3~5年服用するのに比べて、
シダキュアは、治療初期を除いては5,000JAUを毎日服用することになるからです。
そもそもシダキュアの場合、治療初期の服用が2,000JAU/1日ですから、シダトレンの毎日レベルのものを、いきなり治療初日から口に入れることになるというわけなんですね。
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効果はシダキュアのほうが早く出るし、強い
以上のことをかんがみて、
「シダキュアのほうが効きそう……」
というイメージを持ったかもしれませんが、お医者さんもやはり同様のことを仰っています。
シダトレンに比べて、シダキュアのほうが早く効果が出ることが多いそうです。
患者的な目線から、薬を強い弱いで分類すると、
- シダキュア=強い
- シダトレン=弱い
となりますから、当然の結果とも言えます。
強い薬は副作用も強い可能性がある
それなら、シダキュアにしたらいいじゃないか……と単純に思ってしまいそうなものですが、強い薬はそれだけ副作用が出る可能性も強いので、そこは覚悟しておかなくてはならないでしょう。
シダキュア(シダトレン)の副作用とは?
基本的に、同じ中身で容量の違う薬なので、考えられる副作用の内容も類似しています。
最も重大なものはアナフィラキシーで、アレルギー反応によってショック症状が起こる可能性があります。
アナフィラキシーは生命に関わることもありますので、シダキュアやシダトレンの服用時、初回は必ず医師のいる院内で服用することが求められます。
次に、気管支喘息を持っている人は、喘息発作誘発の可能性があります。
悪性腫瘍や免疫系統に疾患のある人は、異常、悪化、薬の有効性に影響が出る恐れがあります。
そのほか、口の中がかゆい、辛い、吐き気といった症状を伴う可能性があり、体調によってその他の副作用も否めませんので、お医者さんの説明をよく聞いて服用を決めましょう。
舌下免疫療法は花粉症の強い味方!
免疫療法は花粉症の症状を和らげてくれる、強い味方になりうるものです。
副作用を考えるとちょっと怖い……というのも事実ですが、検討してみる価値はありますよ!